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靖国問題政府答弁書の出鱈目 [政治・経済]

産経Webの記事に、「靖国問題で政府答弁書決定 「戦犯」は存在せず 公式参拝であっても合憲」との報道がある。これは、私が先の記事で提起した問題整理からすると、ごちゃまぜの出鱈目としか言いようがありません。

戦犯云々は、河野太郎議員の言うように、国内法の問題ではなく外交問題であります。戦犯云々は、憲法問題とは関係がない。しかも、取り様によっては、ポツダム宣言サンフランシスコ平和条約の否定とも取られかねない。これでは国連の敵国条項も理なしとできないではないでしょうか。

答弁曰く、「戦没者追悼を目的とする参拝であることを公にするとともに、神道儀式によることなく、宗教上の目的によるものでないことが外観上も明らかである場合は、憲法二〇条三項の禁じる国の宗教的活動に当たることはない」」云々は、はっきり言えば嘘の類である。まず靖国神社は「戦没者」ではなく「戦死者」を、「追悼」ではなく「顕彰」する教義を持つ宗教施設で、しかも、国宝重文クラスの文化財ではない。神道儀式によらなくても、頭をたれお参りするのは、その個人なりの宗教意思の表示となります。司法の(大阪高裁の傍論とはいえ)憲法解釈に反論する形の、行政側の反論は、国会ですべきではないと思います。これは憲法裁判の法廷上ですべきで、行政から憲法判断を司法に仰ぐべきであります。(最高裁判所は行政から任命されているので、当てにはならないが、民主政治の手続き論としてはそうです。)

戦前は、靖国・皇大神宮は、キリスト教や仏教の上に立ち、国家としての「超(スーパー)宗教」だったそうです。政府答弁書の強弁の背後には、そういう思想が背景としてあります。教育勅語、も、内容は、キリスト教や仏教の目から見れば、国家神道教のお経のようなものですが、それを教育基本法に置換せんとするも、国家神道教=ス-パー宗教、と見なす思想を背景に持っていると思います。

2005.10.26 20:64追記--------------------
  以上の投稿に対して、「弁護士山口貴士大いに語る」よりドラックバックを戴きました。先の大阪高裁靖国違憲判決について、法的には、勝訴である国(行政)側の上告はできない、ということです。素人考えですが、山口さんの記事で、これが判例法であるということがわかりましたので、行政の行為に対する憲法判断という重要事項に対しては、別の判例もありうるのではないか、と、改めて思いました。


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コメント 8

ジョウ

>しかも取り様によっては、ポツダム宣言、サンフランシスコ平和条約の否定とも取られかねない。

 そうかどうかは以下のページを参考になさってはいかがでしょう?
http://www.enpitu.ne.jp/usr4/bin/day?id=45126&pg=20050518
by ジョウ (2005-10-26 09:38) 

NO NAME

ジョウさんがおっしゃるように、靖国などについて激しい反対意見を言われる方々は、判断の根拠を外国に求める傾向が強すぎる。そしてそのよりどころとしている根拠はかなりあやふやなケースも多いように思います。
by NO NAME (2005-10-26 14:32) 

すげなのかおや

ジョウさん、NO NAMEさん、靖国神社のどこがそんなに重要なのですか?
何であんなに皆でしゃちほこばった顔でお参りしないとならないのでしょうか。
追悼するというのなら、近所のお寺や神社で十分じゃないでしょうか。
それとも靖国神社でなくては、戦没者の方がたいそう立腹して
我々に災いをもたらすなんてことがあるのでしょうか。
私の周りの人で、死ぬまでに一度は靖国参りをなどと言っている人は
誰もいません。
by すげなのかおや (2005-10-26 16:40) 

matt

すげなのかおや さん
お墓参りはお墓で、結婚式は協会で、お葬式はお寺で、ってそれはそれでなんとなく安心しますから、靖国にはそれなりの雰囲気はあるのではないでしょうか?
by matt (2005-10-26 17:41) 

すげなのかおや

mattさん、そこなんです。
結婚式は教会で、戦争するときには靖国で、って雰囲気を感じてしまっていやなんですね。
by すげなのかおや (2005-10-26 20:45) 

降龍十八章

なぜ、お墓でなくて、神社かというと、お墓は家族の個人的なもの。一方、靖国は、多くの他人が国のために戦った人を追悼する場所という理屈なんだそうです。
遺族の気持ちとか、言いますが、日本人のほとんどが誰かしら親戚をなくしているのですから、みんな遺族です。戦犯の親戚だけが、遺族ではありません。
もし、靖国神社を認めるなら、戦争に駆り出された一般兵士だけにするべきではないでしょうか。彼らだけなら、私のような無政府主義者?でも喜んで参拝にいきますよ。(私の顔を見たこともない伯父も戦争に駆り出されて病気になって死んでいます。)
by 降龍十八章 (2005-10-27 09:07) 

matt

降龍十八掌さん

戦争に駆り出された一般兵士ということについて、個人と戦争というブログを見てください。

http://blog.so-net.ne.jp/matt_is_a_golfer/2005-10-26
by matt (2005-10-27 16:32) 

Ass

降龍十八掌さん>あの、どういうつもりかしりませんけど、無政府主義者という言葉はあまりむやみに使わないほうがいいですよ。もちろん無政府主義者が悪いわけではないですが、むろん意図して使ったのなら余計な御世話でしょうけど・・・。
関係ないですね、ごめんなさい。
by Ass (2007-04-29 21:45) 

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