SSブログ

王毅駐日大使の言い分 [平和]

寒波の中、JR東で、特急脱線転覆事故が起きました。犠牲者の皆様のご冥福をお祈りいたします。しんぶん赤旗には、罠営化以後の、スピードアップ強風時の「規制緩和」の話が載っていて、またか、の思いがします。

さて、精力的に日本各地を講演して回る、次期中国外相の声もある王毅(ワン・イー)大使。反中嫌中派には大変評判が悪いようですが・・・。

軍縮問題資料12月号に、王毅駐日中国大使が一文を寄せています。日本語が、昨今の日本の政治家より堪能な氏のことですから、これは最初から日本語で書かれたものでしょう。

中国の問題として、

  1. 成長方式の問題で、資源・エネルギーの負担と環境の負荷が大きく、粗放型の経営では長続きしない。
  2. 不均衡の問題で、とりわけ農村と農業が遅れている

ことを率直に認め、現在、その問題に中国が取り組み始めたことを報告しています。そのうえで、

  1. 中国経済の輸入依存度が高いこと、石油の40%を輸入に頼っていることなどにより、諸外国との相互依存関係が大きいこと
  2. WTO、京都議定書、国連人権規約にも加盟し、国際協調路線をとること
  3. 国家戦略として、国内でも国外でも、安定・発展・調和を政策目標とし、内外政策は相互に作用し不可分であること
  4. 中国文化の伝統として、儒教文化を重視し、「和をもって貴しとなす」としていること、漢字の武は、戈を止める、という成り立ちで、「戦いを止めることを真の武となす」の意であり、武術は強いものが弱いものをいじめるのではないこと。
  5. 中国の国防政策は防御的なもので、軍事同盟(=集団的自衛権)を持たず、海外に軍事基地を持たない
  6. 協力を外交・安全保障戦略として取り、境界論争のある東海(東シナ海)でも、日中協同開発を提案していること

を挙げて、中国が他国を攻撃することは有りえないと主張していることです。

これは、昨今の日本(とUSアメリカ)への当て付けと取れなくもありませんが、石油輸入ほぼ100%、食糧自給率も低い、貿易立国たるべき日本も同じ道を歩むべきことを、逆に中国から示唆されているように思えます。

一般市民が神社に行くことに中国は異議を唱えず、指導者が靖国に参拝することのみが、34年前の日中共同宣言の根幹をゆるがす問題で、1985年の中曽根内閣以後の方式で構わないということを、主張しています。(つまり、首相・外相・官房長官の三指導者が、任期中は靖国参拝を自粛すること)

靖国問題は、根源的には政教分離の国内問題であると私は思っていますが、中国の要求は控えめなものであり、しかし、日中関係の根本を揺るがす大問題になったことも、これで理解できました。

軍縮問題資料12月号の中のリンクに、竹岡勝美元防衛庁官房長の発言があって、これも注目に値します。

人気blogランキングへ
↑ブログランキング
 投票一日一回


nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(4) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 3

TAMO2

こんにちは。我々の世代としては、ベトナムへの懲罰的侵攻を思い出して
しまうし、また台湾に関する言動および行為、特にロシアとの共同演習と
あわせ、王毅氏の発言をそのまま受け取るわけにはいかないのです・・・・。

以上、昔日本共産党に「反党中国盲従分子」と悪罵を投げかけられた人間
の思いでした。
by TAMO2 (2005-12-29 08:51) 

はてにゃ?

はじめまして。思ったことをいくつか。
日本も中国も資源輸入型貿易立国だからこそ、「中国が他国(とりわけ日本)を攻撃することは有りえ」る、と思うのですが。利害バリバリに対立してるわけですし。
あと、「王毅氏の発言をそのまま受け取るわけにはいかない」というTAMO2さんの意見には賛成です。彼が嘘つきで不誠実だ、と言うことではなく、彼は外交官というより共産党スポークスマンとしての役割しか与えられてないと考えます。
結局のところ、「靖国で譲歩したところで、油田開発は止めないだろうし沖ノ鳥島も狙うだろうし反日教育も止めないだろうし・・・」といった不信が根強い以上、総理の信念を別にしても、今靖国参拝を止めるという選択は危ういと思います。そうなったときこそ、日本国民が本格的に右傾化するときと考えます。
by はてにゃ? (2006-01-05 21:37) 

流木

世界第二位の軍事費を持つ国が隣にあって
現在も毎年17パーセントも軍事費を伸ばし続けている
でも、戦争になることは非現実的だからって普通の人は安心は出来ない
戦争が非現実的なら軍拡している国こそ最初に批判すべきで
4年連続防衛費を縮小している日本にのみ平和を訴えられても無理って物

誰も中国が本格的に本土進攻をしてくると考えている人は居ないわけで
そんなことはロシアでも多分無理でしょう

ただ小さな離島を占領してしまうこと(尖閣、対馬など)は充分ありえる
実際ベトナムもフィリピンも中国に奪われたし台湾にも攻め込んだ
ソ連ですらダマンスキー島を軍事力で奪われたじゃないか

それでも侵略されることは非現実だって?


そんな国が今、東シナ海を中心にかつてないほどの大軍拡を進めているのに
(韓国もロシアも)そういった国は批判せず日本だけが平和国家であれば良いなんて出鱈目な主張を受け入れる奴なんてありえない

東アジアは世界で最も軍事力が集う場所だというのに

結局かつての日共のように社会主義化すれば軍備保有を認めるなんて
考えているんじゃない?

そう言うのを似非平和主義って言う
by 流木 (2006-02-19 02:10) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 4

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。