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憲法に軍を明記しては何故いけないか [平和]

                                         

憲法に自衛権を明記すると国民の生命が危なくなる。」(On the Beach

国軍とか自衛軍とか、勇ましい言葉が踊る昨今ですが、 自衛軍で「国」が守れるのでしょうか。まず国を守るとは、何から何を守るのか、そこを確認しなければなりません。
   現憲法9条では、国際紛争という言葉がキーワードになっています。(いわゆる「テロ」もしくは抵抗運動-レジスタンス-も、根っこをたどれば国際紛争があります。)。二国間、多国間で全ての利害が一致することはないので、国と国との間の利害がしばしば衝突する。そして、時には第三国を巻き込んで、外交という駆け引きが行われる。その外交がどうにも手詰まりになった時のみ、戦争という手段が用いられる。そしてそれは常に、両方の国にとって、「自存」「自衛」「防衛」の名のもとに行われます。

 さて、それらの戦争は、何を守るためのものでしょうか。国民の生命財産を守るものでしょうか。歴史的にみると、守るものは、権益、であったり、領土、であったり、資源、であったり、支配者の「面子」であったりするものです。民衆は常に戦火に追われ軍靴に踏み潰されるものです。過去の日米戦争にしても、日本だけでなく米国も、戦場戦域に住まうフィリピンや太平洋諸島の住民の生活を犠牲にして、戦争を戦ってきたし、戦場が日本の「内地」に迫るや、沖縄の住民を戦争に巻き込み、大悲劇を生じたわけです。国軍が民衆を守らなかった例は、沖縄だけでなく、旧満州もそうですし、旧樺太(現サハリン)でもそうです。

 自衛権というのはデフェンス権でつまりは交戦権。集団自衛権というのは、実は軍事同盟権。USアメリカにとっては、イラク戦争も自衛(ディフェンス)のため、です。実際は石油利権確保のためでもありましょう。

 単なる基地提供条約である日米安保条約の範囲を逸脱した「軍事同盟」は、かつての日独伊三国同盟と同質のものではないかと疑わざるを得ません。

                                     


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コメント 7

モカマタリ

はじめまして。モカマタリといいます。
言霊だと思います。日本人の文化かもしれません。
戦い、殺し、そのものが穢れであり、
そういった人々も穢れである、
だから昔から、一部の人々にその穢れた部分を背負わせてきたのが
日本だと思います。
だから、皆頭では、真の主権国家として、軍を持つという考えは理解できても、
憲法に明記できな…
それが言霊の考え方によるものだと思います。
by モカマタリ (2005-10-17 19:51) 

matt

想定していないために規定していないことが起きた場合に、規定していないがゆえに、本来余裕のあるときに十分に時間をかけてコンセンサスを得られているべきだった範囲を超えて、制御不可能な事態になることがよくあります。憲法に規定し、それを前提に軍隊のあるべき姿や権限義務を定義して、有事に想定外の事態を招かないことが、先の戦争の教訓だと思います。
by matt (2005-10-17 20:12) 

半共分子

mattさんのコメントについてのメモ;
もちろん、国民防衛に関しては、あらゆる事態を考えておかねばなりません。それとともに、戦の終わり方も、あらゆる事態を考えておかねばなりません。戦勝の場合、五分五分の場合、負けて何とか講和交渉に持ち込める場合,
無条件降伏した場合。その際の民衆の守り方は? また、あらゆる侵略者を想定するなれば、一番近い軍事力は中国でもDPR朝鮮でもなく、在日米軍であり、絶大な脅威であります。USアメリカに付いていれば日本が安泰である、というような、希望と予測を混同したような「国防」論も危険だと思います。
by 半共分子 (2005-10-17 22:05) 

pochidabwoo

他のボードでは「名前み知り」の pochi です。やっと半共分子さんBlogのURLを知りました。きっと、私が見落としていたと思います。
あちらのボード以上に、間口というかキャパシティーが広いようで流石の印象です。
私のような一応「ラジカル」を標榜するたわけ者が何かを書くと、なんだかプチ奴隷が一杯釣れそうな、そんな雰囲気をちょっと感じております。
Macを立ち上げたら読ませていただくことを習慣づける努力をしつつ、健筆を願っております。
by pochidabwoo (2005-10-17 22:48) 

半共分子

pochidabwooさん、今後ともよろしくお願いします。
by 半共分子 (2005-10-17 23:12) 

Phexy

僕は、自衛軍の条文も問題だとは思いますが、それ以上に「自由や権利には責任と義務が伴う」という内容が「憲法(という統治権力を縛るもの)」にフツーに盛り込まれてるってことが異常だと思いますねぇ。前文の「環境がどうした」とか「愛情と責任感と気概をもって〜」なんてところはアホみたいな文章ですし。一番の問題点だと思うのは「公益や秩序のためには、個人の自由や権利を侵してもいい」って意味のことが書かれてることですよ。私的なものがあってこその公じゃないですか。そして私的な権利をもってして、改憲するかどうか投票するのでしょう。それを放棄するってことが書いてある憲法を認めるってのは、民主制の元でナチスを支持して民主主義を放棄したドイツの歴史と同じような愚行ですよ。僕はそんなクソみたいな憲法を受け入れたくはないです。こんな風に「僕は…」なんて書いて自分の意見を表明できるのも、表現や言論や思想の自由があってこそですね。この草案がそのまま可決されたら、ブログに政治的な主張を書くことも危険になるかもしれない。「あなたのブログは公の秩序を乱すから」なんて理由を付けられて、最悪の場合には法規制されるなんて事態も想像できますから。
by Phexy (2005-11-16 13:22) 

半共分子

Phexyさん、こんばんは。
おっしゃる通りです。自民党の憲法案は、民定憲法の体をなしていません。憲法とは、マグナカルタ(大憲章)以来、被支配者の権利と支配者の権力の制限を、被支配者が支配者に提示して認めさせる格好になっていて、はじめて憲法だと思います。秩序や公益(=支配者の利益)は、制限さるべきものであって、民定憲法で、主張するものではない。公共の福祉という言葉の意味の重さを、いまさらながらに思います。つまりは、天皇を差し置いて自ら皇帝のごとく振舞う不敬者=「朕」小泉の名のもとの欽定憲法です。
by 半共分子 (2005-11-16 18:46) 

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