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旧海軍・井上成美少将(後、大将)の論 [歴史]

 
日米戦前、井上成美(しげよし)少将は、海軍省内に、こういう通達を出したといいます。
ヒットラーは日本人を想像力の欠如した劣等民族、ただしドイツの手先として使うなら、小器用で小利口で役に立つ国民と見ている。彼の偽らざる対日認識はこれであり、ナチス日本接近の真の理由も其処にあるのだから、ドイツを頼むに足る対等の友邦と信じている向きは、三思三省の要あり、自戒を求む」(出典:別冊歴史読本、戦記シリーズ24、1993年11月発行)

ヒットラーをブッシュ、ドイツ・ナチスをUSアメリカと読みかえれば、現代日本国民への警鐘ともなっていると僕は思います。

USアメリカも、かつてのように、物量と後方支援で旧日本軍を圧倒した面影はなく、イラク戦争でも補給に手間取り、自国の生産力では弾薬をまかなえずイスラエルから輸入し、遂には貧しい国から傭兵を雇って、バクダッドの空港警備をやらせている(民営化)。植民地日本から取り上げた庸兵として、自衛隊も組み込まれている。自国の兵ではなく、傭兵に頼るようでは、古代の西ローマ帝国の黄昏と同じです。

終戦直後、井上氏は、こう述懐したという。
国軍の本質は、国家の存立を擁護するためにあり。他国の闘いに馳せ参ずるごときは、その本質に違反す。前(第一次)大戦に、日本が参戦するも邪道なり。海軍が同盟*に反対せる主たる理由は、この国軍の本質という根本観念に発する。いわゆる自動的参戦の問題なり。たとえ締盟国が、他より攻撃せられたる場合にも、自動的参戦は絶対に不賛成にして、この説は最後まで堅持して譲らざりき。」 (*=日独伊三国同盟をさす。)
つまり集団的自衛権=軍事同盟は国防には有害であるとの論です。
国連より日米同盟を優先するという麻生外相(害相)は、丸で逆です。(低気温のエクスタシー・パイロットファーム) これは、国連脱退宣言に等しい。

先人の遺訓に耳を傾けなければ、また同じ道でありましょう。三四郎日記の「三発目の原爆は再び日本に落ちる」という予言は、実現に向け、走り出しています。人気blogランキングへ

(赤旗日曜版11月20日号の連載小説「花へんろ」では、井上氏は、対中戦で都市戦略爆撃を開始したことが書かれていますが、それは別の一面です。)

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降龍十八章

こういう立派な軍人さんもおられたのですね。戦前も天皇機関説は常識だったのに一部の狂信的右翼により、次々、まともな意見が通らなくなっていたのですね。まさに悪貨は良貨を駆逐するです。現在はテレビが煽る分、余計に大衆が世論操作されやすく、困った状況になっていますね。
by 降龍十八章 (2005-12-15 10:47) 

luxemburg

確か、この人は敗戦後に自衛隊の教官になどの話があったけど、戦争に負けたような指導者が恥ずかしくて人にどの顔をして教えるんだ、と身を引きましたね。ほかの人たちが自衛隊の教官などをしていることを恥知らずといってましたね。
 ノモンハン、ガダルカナル、インパールの作戦を立てた最悪の虐殺者、辻政信さんなんてそのあとも参議院議員などをやっていたのではないでしょうか。おそらく司馬遼太郎先生が、日本の悲劇は指導者が三流というのはこの人を指しているんだと思います。
by luxemburg (2005-12-15 20:36) 

pochidabwoo

当時の著名な軍人・政治家の日記類などは、後々残されることが多い。井上の個人のことや軍人としてのことについて、より重要な「人間」としての評価はここでは触れたくない。ただ一つ言えることは「偉い」と即断することの危険はあると思います。
どうも日本の人は、特定の対象を「奉りたい」という欲求があるようですが、私は、そうした体を見ると「何か引きずり下ろしたい」という欲求にかられる屈折した性格があるようです。そう言っている私も「誰かを絶対的に信用したい」という欲求がなくもない。
井上以外であっても(例えば石原完爾は、満州で映画会社に熱心だった。それはヒットラーが映像とかに強いこだわりを抱いたのといかる共通性ないし違いがあるのか?)、それぞれは当然にして個人。ならば、名も残さず、骨さえも残すことを許されなかった者、今も打ち捨てられた「一兵士」の戦争についての感慨はいったいどうなるのだろう。井上が要職にあったからその言葉は重いとか意味があるというのは、どこかで釈然としない。井上は恐らく、生死の境目で一発の弾も撃たなかったでしょう。そうしたことは「戦争の実態」を知っていることになるのか?

類したことでは、現外務大臣は「私は戦争のことを知っている」などと戯けたことを言っていますが、それは「大ウソ」です。彼は安穏としていたのです、安全なところで。彼を標的に発射された弾は、一発もないでしょう。そうしたことを、こちらが見抜けるがどうかが現在進行形の問題なのではないかとないかと私は考えます。私は体験した訳ではありませんが、生死の境目で撃つ一発の重みなど、軽々に「知っている」などというのは、大バカであり大ウソつきだと考えます。

先達の残した言葉を聞く、耳を傾けるという意味で井上も除外されるべきものではありませんが、それは一人の「軍人」のそれという限界を超えるものではないように思うと同時に、だから無意味ではなく、無意味ではないということ認めるのであれば、他の「記録」さえも書き残すことが許されなかった無名の一兵士のことを絶対的に想像すべきだと思います。
耳を傾けたとしても、井上はたった一人の軍人に過ぎないのではないでしょうか。
by pochidabwoo (2005-12-16 00:14) 

半共分子

pochidabwooさんの仰るとおりで、歴史の教訓に耳を傾けることが大事で、人物を奉ってはいけません。現代はとかくそのような風潮があって、小泉首相の行動言動をなんでも奉るがごとき風潮は、大変に危険なことです。
 井上成美将軍も、航空本部長時代の重慶(蒋介石政府の首都)への渡洋戦略爆撃(亡き父の幼少時代の当時は新聞雑誌で派手に宣伝されていたと聞きました)では、後々の戦略を考えれば、要らずもがなのことをしてしまったのです。大艦巨砲主義者に包囲された中での航空主兵論者の焦りもあったのかも知れませんが。
by 半共分子 (2005-12-17 12:16) 

朱夏

はじめまして。お玉さんのところでお名前は拝見していたのですが・・・。
今回TBさせていただきました。
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by 朱夏 (2005-12-18 13:24) 

Candice

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funny ringtones

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